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IDICHI

はじめての学会発表

大学4年の卒業研究内容をIEICE(電子情報通信学会)にて,発表しました.
題目は,ChromaticityLineとColorLine併用による照明色推定アルゴリズムの高精度化です.
人生で初めての学会発表でした.
発表前は緊張しましたが,発表が始まると普通に話せました.また,強い研究者からの質問に構えていましたが,基礎的な質問ばかりですべての質問に答えることができました.

というのもIEICEは分野が幅広く,複数日にわたって複数会場で開催されるため,専門分野の研究者が分散するためです.

とはいえ,若干分野が違う他の発表者の発表も面白く,学びが多かったです. 特に企業の研究者も発表するため,実際に使われている技術についての発表が多く,興味深かったです.

本記事では,提案手法を簡単に説明します.

研究分野について

研究内容は,照明色推定アルゴリズムの高精度化です.
まず,照明色推定とは,画像の照明色を推定することです.
照明色の色がわかることで,以下のように色の着いた画像を白色光源下に戻すことができます.

照明色推定

これにより,今となっては当たり前であるディープラーニング技術や,その他画像処理技術など,照明の色により画像に映る物体の色が変わることで結果が変わることがある技術に対して,照明の色を推定して,補正を行うことで,精度を向上させることができます.

実際に,ディープラーニングに学習させる画像を照明色推定を行い,補正を行ってから学習させることで,精度が向上することが報告されています.

提案手法

2つの先行研究

長いので,概略のみ説明します.
この研究のベースである先行研究では,ColorLineでは局所領域(ある位置の近くにある画素)のR,G,Bの値は概ね直線になることを利用して,すべての局所領域について直線を求め,その交点が照明色であるという仮定のもと,成り立つアルゴリズムでした.

しかし,画像内には明るすぎる,暗すぎる,色が濃すぎる,薄すぎる,などの画素が存在するため,照明の色を求めるには不適な直線が一定程度存在します.

これを,ChromaticityLineという,直線を求め,その距離となす角により,不適なColorLineを排除します.

ChromaticityLineは,画像をXYZ表色系という色の系に変換して,局所領域内でX,Y,Zごとに平均をとり,点群から直線に近似します.先行研究では,この直線上に照明があるという仮定のもと,成り立つアルゴリズムです.

提案手法とその結果

提案手法では,ChromaticityLineとColorLineを併用することで,精度を向上させました. 具体的な成果としては,そこまで精度があがったわけではないですが,撮影時のレンズの歪み(口径食)がある画像に対して,精度が向上しました.

詳しくは,以下のスライドをご覧ください.

今後

この手法については,まだまだ改善の余地がありますが,このアプローチよりもよい手法を発見したため,そちらを発展させていきたいと考えています.

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大学3年生 伊地知 翔也 詳細はlearn moreから